2025.02.08
こんにちは。くろき大工です。
僕が周防大島に移住して、早15年ほど経ちました。祖父母の家が周防大島だったので、いわゆる孫ターン移住です。
移住したての2年間は、ヤギ牧場を作りたくて奔走しました。事業立ち上げに至らず、迷走で終わりましたが……
大工の一人親方として、木組みの技術を活かして古民家再生を始めたのは、移住3年目頃のことです。
自分自身で里山の古民家を再生して、豊かな暮らしを送っていて、そんな僕の暮らしに興味を持ってくれた全国の方々から、移住の相談を受けるようになりました。
移住を思い立った時、不安なこと、分からない事、あまり地の人には聞きにくい事、なんかを、数年前の自分を思い出しながら、アドバイスしてきました。
古民家再生に携わってきた自分が、一番頼りにされていた事は、「この古民家、購入したいんですけど、大丈夫ですか?」という事でした。
建物探訪好きとしては、半ば趣味のように、移住希望者と一緒に古民家に出掛け、里山を眺め、移住の夢を聞いて、一緒にワクワクしたものです。
つい最近、「中古住宅の不動産を鑑定して欲しい」とのご依頼を受け、お施主さんと不動産屋さんと一緒に現地調査に伺いました。
お施主さんと不動産屋さんが家の中で待っている中、僕は、外壁の塗装の劣化確認、外壁の通気層の確認、瓦のチェック、基礎の劣化チェック、基礎通気口のチェック、シロアリのチェック、軒先の雨漏れ兆候のチェック、排水配管の破裂発見…… そんなんばっかり見ているものですから、なかなか家に入りません。
どうしたものかと皆さんが出てきた所で、僕から家の状態の説明をしていきます。外が終わって、中をまわって、総評をお施主さんへお伝えします。
不動産屋さんは、売主目線でアドバイスします。でも、僕は真逆。買い主目線でアドバイスします。
初めは訝しそうにしていた不動産屋さんも、しまいにはお互いの立場を認め合い親しくなり、ちゃんと情報提供してくれました。
かくして、お施主さんは建築のプロの話を元にオーナーさんと掛け合い、良い契約となったそうです。
僕の日頃の趣味のような建物探訪が、ウン十万円の価値を生んだ!のかなぁ?
あっ、このような立ち合いの場合、費用はかかりません。僕の予定が合えば、お施主さんの夢のお話がご褒美という事で。