2025.10.24
こんにちは。くろき建築工房・代表の黒木です。
僕が書くのはもう半年ぶり😅 お久しぶりのブログです。
先日、スタッフがこのブログで外壁工事のことを書いていたので、外壁について、もう少し書いてみます。
20年程前に都会で大工をしていた頃は、建売の外壁材といえばサイディング一択でした。
詳しくは窯業系サイディングというもので、タイル調、塗り壁調など様々なテクスチャーと最新の塗装技術で仕上げられた、セメント系基材の外壁材です。
今でこそ、ひとり工務店の一人親方をしている私ですが、35年前に就職したのはサイディングのメーカーでした。(株)ニチハさんに吸収合併されて、今はありません。
サイディングはセメント基材で重く施工性は劣りますが、防火性に優れており、多様な色柄も受けて住宅街では今も人気です。
かたや周防大島での仕事では、大半が焼杉の外壁材を扱います。ここ10年、サイディングの工事はほとんどありませんでした。
周防大島に限らず、古民家には焼杉の外壁がなじみますね。風景の一部みたいに感じます。
僕も焼杉や杉板の外壁は大好きです。サイディングのホニャララ風の偽物ではなく、杉の木のもつ素朴で温かみのある素材感が田舎の風景にはよく似合います。
杉板といっても、焼杉は表面が炭化しており、実は防火性に優れています。また、1枚1枚がとても軽いためメンテナンスが容易で、DIYも可能なくらいです。
私たちの建てる新築住宅の標準仕様は、「素焼きの焼杉」の外壁です。
ん?素焼き?


こんなふうに真っ黒く焼いた杉板です。
素焼きの焼杉は、いま密かに木質系の工務店で人気再熱しています。
圧倒的に多い焼杉は「ブラシ」といって、施工者が扱い易いように、一旦焼いた杉板の炭化した表面をブラシで擦り落とした商品です。
ブラシ焼杉の長所は、施工時に炭だらけになることなく、切断しても炭を吸い込むこともなく、とても扱い易くなっています。
短所は、張りあがりこそ炭色のしぶい黒ですが、1年もすると薄い炭は雨で流れ落ち、ただの杉板に戻ってしまいます。
自分ごとの家つくりを標榜する工務店としては、自宅なら絶対素焼きの焼杉だよね!と思うので、真っ黒になるからと嫌がる大工さんにお願いして標準仕様にしております。
素焼きの焼杉の気を付けポイントもあります。
表面が炭のままなので、触れたら真っ黒になります。お子さんや洗濯物にご注意ください。
また、風でゆれるオーニングや樹木の枝葉が触れると、表面の炭は柔らかくもろいので、すぐに表面が擦り落とされブラシ焼杉と同じになります。
焼杉ひとつとっても、なかなか奥が深く話が尽きませんので、今日はここまで。
次回は、焼かない杉板の外壁について。これも素焼きの焼杉と同じくらい素敵なんです!
ではでは😊