Mさんご夫婦が、今の家に住み始めたのは6年ほど前。
この集落から見える海の景色が気に入って、どうしてもこの辺りに住みたいと物件を探すこと1年半。
ようやく見つかったのが、今の家でした。
海沿いに見つけた築50年くらいの家。
昭和な雰囲気を活かしつつ、必要に応じて各所をリフォーム。
少しずつ時間をかけて、自分たちらしい住まいに整えています。
「まだ開かずの窓がたくさんあるんです」と笑うMさん。
玄関横にはこれから使われるであろう床材が、じっと出番を待っています。
このたびくろき建築工房にご依頼いただいたのは、耐震補強工事と南面・北面の窓のリフォーム工事です。
町の無料耐震診断で見てもらった結果、強度が低いと診断されたためリフォームすることに。
「木造住宅耐震診断士」の資格のある弊社をお選びいただきました。
町の耐震診断の結果を踏まえ、弊社の診断士が再度細かくチェックし、
窓辺のほか、外壁の改修も提案させていただきました。
補助金を活用できる案件だったため、各種補助金(※)の申請も弊社でお手伝いさせていただきました。
※耐震改修補助金、住宅環境改善支援事業補助金
今回のリフォームで一番大きな変化があったのは、南側の窓辺です。
広い縁側があり、サッシを入れ替えるついでに、縁側の床を張り替えることにしました。
床の板張りと仕上げはMさんがご自身で作業されました。
リフォーム前は、物置きと物干し場として使われていたこの縁側ですが、
床が綺麗になったことで、ライフスタイルに大きな変化がありました。
「夫が床に寝そべったり、娘が遊んだりしています。部屋がひとつ増えたみたい!」
窓を開けると、海からの風がすうっと入ってくる。寝ころべば広い空が見える。冬にはぽかぽかと暖かい。
そんな心地よい空間が出来ました。
縁側で過ごしていると、海沿いの通りを散歩するご近所さんの姿をよく見かけるそうです。
ご近所さんのほうも、縁側にいる娘さんの姿を見つけては「おーい、今日は保育園休みかい?」などと声をかけてくれるのだとか。
日常生活での温かい一コマ。想像するだけで心が和みます。
「ここの集落は人が優しくて、いろいろと助けてもらっています」
周防大島に移住され、結婚して、子どもが生まれて……
少子高齢化の小さな集落で日々の暮らしを積み重ねているMさんご家族。
この島で豊かに生きていくとはどういうことなのか、ヒントをもらった気がします。