作品とギャラリーそれぞれが
引き立て合うように

自然に包まれた、この場所で

ここは、みかん蔵を改修したギャラリーです。ガラス作家・高城加世子の作品を展示しています。

自然に包み込まれたような家の中に生活があり、生活の一部に制作がある。
自然の営みの中で生きることで感じ取れた感覚を作品に。そんな作品を展示する場所だから、この場所がいいと決めました。

丹精込めて栽培したみかんを大切に保管していたみかん蔵を、思いを込めて制作した作品を輝かせるためのギャラリーに。
背景は変われど、大切に育てたものを置く場所として、相応しい場所だと思いました。

光を取り込む窓と扉

作品に相応しい場所とはいえ、みかん蔵はもともとは光の入らない真っ暗な空間。
一方、これからはガラスのギャラリーですから、光はたくさん取り込みたい。

窓をどうするか悩みました。

一般的なサッシでは蔵との統一感が無くなってしまうので、古い欄間を再利用して飾り窓を作ることにしました。
本来は横長の欄間を、縦に配置したのは面白いと思います。

その窓に合わせて、裏の開口部も同じように縦にした欄間で飾り窓を作りました。

入口の扉は、高城加世子の実家の応接間で利用されていたものを、そのまま利用しました。

ガラスへのこだわり

飾り窓にも入口の扉にも、古い板ガラスが用いられています。
古い板ガラスには歪みのある不思議な透明感があり、また、今の板ガラスには見られない柄が入っていたりもします。
こういったところにも、ガラス作家ならではのこだわりが表れています。

照明のペンダントライトも、作家の実家で使われていたもの。
柔らかい光に、時代を感じる製法…
ここにも作家の「ガラス好き」が表れています。

元は土壁だった壁は、ガラスの色と透明感が映えるように漆喰で仕上げました。

土間だった床には、大谷石を敷きました。ガラスの原料は石から来ていることを彷彿とさせる石の床です。
大谷石は、石の中でも柔らかい足触りが特徴です。

温故知新のリノベーション

外壁は、もともとは古い焼杉でしたが、窓を新設するにあたり新しく張り替えました。
しっかりとした焼杉だったので残すこともできましたが、ここはあえて新しく張り替えました。
張り替えた板は、前と同じ杉材です。 木目の美しい節なしの無垢材を採用し、木地の美しさを損なわないようにクリア塗装で仕上げています。

無垢材は、経年美を楽しめるのが特徴です。年を経るごとに木の色合いが深みを増していきます。

私たちくろき建築工房のリノベーションでは、古いものを活かすだけでなく、時には新しいものを取り入れます。
新しいものを取り入れる際には、古いものと馴染むような工夫をします。
そういった全体のバランスやさじ加減にも注目していただけたら嬉しいです。

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