家を建てるとき、私たちが一番大切にしていることは、完成した家が住む人にとって心地よい空間になること、そして、いつまでも大切にしたい愛着のある家にすることです。
そのために心がけているポイントを紹介します。
近年、木造住宅の多くがプレカットという機械加工の木材を使って建てられています。
手刻みに比べて時間もコストもかからないことからプレカットが選ばれがちですが、私たちはあえて手間暇かかる手刻みを選びます。
職人の目で見て触れて五感を頼りに丁寧に加工された木材で建てた家は、仕上がりの強度や美しさが違います。手刻みでしか出来ない強い木組みで家を作り、若い人たちへの技術と文化の継承にも尽力しています。
クギやネジはなるべく使わずに、木材どうしを組んで家を建てます。木の反りなどの性質を見極めて組むことで、プレカットでは実現できないほど耐震性や耐久性に優れた骨組みをつくることができます。
日々安心して暮らせる家を建てることが私たちの責務です。
構造の良し悪しは表に出にくいのでなかなか優先されませんが、住まいの居心地にも影響するものだと信じています。
使用する木材はなるべく地元のものを使うようにしています。地元産の木材のほうが、その土地の家に馴染むと言われていますし、地元産の木材を使うことは地元の山の環境を保つことにもつながります。地元の山から適切な時期に伐採され天然乾燥された良材を求めています。
山口県産の木材で良いものがない場合には、九州などなるべく近いところの木材を使うようにしています。
地震などの自然災害やエネルギー問題などを考えると、これからの家にはより高い性能が求められます。一棟ずつ構造計算を行います。耐震等級3・断熱等級6が私たちの提案する住宅です。
地震に強く、省エネ・創エネでランニングコストのかからない家は、長く住み継がれる家となります。
性能と言われてもピンと来ないかもしれませんが、性能は居心地にも直結するものです。
例えば、隙間なくすっぽり断熱材で覆われた住宅では室温が一定で夏は涼しく冬は暖かく、ヒートショック事故の軽減にもつながります。
家づくりの材料は木材だけでなく、断熱材や壁紙、外壁材など様々な材料を必要とします。これらの材料はまだまだ自然素材が主流ではありません。
例えば断熱材なら、グラスウールや発泡プラスチック系のものが多く使われています。私たちは木繊維の断熱材を使うことをまず提案します。建築コストはかかりますが蓄熱性、吸湿性などに優れているので、長い目で見るとおすすめできる材料です。
その他、壁紙ならビニールクロスに代わる紙素材のものを提案するなど、再利用できるか土に還るかという視点で提案をしています。
自然素材ならではの心地よさや経年美を、たくさんの人に知ってほしいと思っています。
私たちが建てる家は、自ずとシンプルな仕上がりになります。昔ながらの複雑な和風建築の家も、それはそれで美しく好きですが、ここ数年の材料費の高騰や性能面を考えると、小さくてシンプルな家が現実的です。
間仕切り壁を固定しなければ、住む人それぞれのライフステージに合せて、家の使い方をアレンジできます。小さい家でも、家の中にいるときの目線に気を配り、庭など外のスペースもふくめて考え、外と内とのつながりを持たせた家にすれば、広がりを感じられます。小さな空間であればこそフォーカスされる、とっておきの居場所を提案しています。
これからのくろき建築工房は、これまで以上にエネルギー問題に真摯に、積極的に取り組んでいきます。省エネだけでなく、エネルギーを創り出す〈創エネ〉にも力を入れ、省エネと創エネを組み合わせたエネルギー収支「0」の新しい暮らし方を提案します。
未来を担う子どもたちへ、安心して引き継げる家や暮らしを残したいのです。
〈省エネ創エネの具体例〉
など
田舎でも街でも、それぞれの居場所で無理なく取り組めるよう提案いたします。